【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
和室の花を眺めて
「いいねぇ。今日は結衣が選んだんだろ」
「うん」
「同じような花なんだけどね。結衣の選んだ組み合わせはしっくりくるのよね」
「玄関のとこ和バラにしたんですよ。結と陸ほたるっていうの。綺麗ですよ」
私が言うとすぐに立ち上がり由香里さんは部屋を出て行った。
そして戻ってきた時には
「いいね。和バラって結衣に活けてもらって初めて知ったんだけど優しさがあって優雅よね」
「由香里さんみたいでしょ」
本当に花のような美しさを持つ人だ。
凛としているが優雅さも気品もあり笑顔には優しさも温かさも感じられる。
「結衣、あんたは本当に見る目がある。あははは。また花を活けに行きたいよね」
「琉がもう少し大きくなったら再開したいですね」
「その時は、私も説得してあげるからね」
変わりない毎日の中で子供に関することでも極道に関することでもなく、私自身にまた目標というか希望が光輝いた。
今日は下にいたので菫の帰宅がすぐにわかり玄関へ迎えに行ったけれど
「キレイな花でごぜぇやすね」
気が付いたのは桐生さん。
菫は、「ほんとだ」
一瞬見ただけですぐに通過。
我が娘、菫という名をつけれども
花よりサムライこれいかに
藤堂 結衣