【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
「久しぶりに凄い口惜しさなんだけど」
やり方教えてとまで言い出して私たちはもう笑いながら見ていた。
菫がやってもらったように背中で上まであげてもらっているからだ。
そうこうしている間に響さんと隼の車が入ってきた。
私は駆け寄り
「ごめん。スマホ和室に置いたままだ。お帰りなさい」
「そんなのはいいが何やってんだ」
「逆上がり」
響さんもみんなの方を見ていたので私の言葉に
「は?何でまた」
菫が出来るようになって私もやったら出来たと伝えるとこの親子はここで大笑いを始めた。
みんなの方へ歩いていき
「おい、由香里お前はいいから菫にやらせろ」
由香里さんは渋々と菫に譲り
菫は少し下げてもらった鉄棒に掴まりクルッと回ってみせた。
どれほどの事が出来たのかというぐらい拍手喝采で
「結衣、やってみせろ」
疑いの目で見る隼の前でクルッと回って見せた。
「パパも出来る?」
また悪魔の発言。
ここで出来なかったら隼の立場ってものがあるだろう。
由香里さんはそれを物凄く期待していて
「やってごらんよ」
自分が出来なかった事など棚にあげて言った。