ご主人さまの冷酷彼氏


そんでまた、季節が冬ときたもんだ。


……も、超絶寒いじゃん。


ハナ垂れるわ、腹は減るわ、喉はカラッカラだわ。



もうおれ、このまま死ぬのかな。すっげ短い人生だったなぁ……


……そう思ってたときに、だ。



とある女の子が、おれを拾ってくれたんだよな。



その女の子こそが、この一軒家の一人娘。


平野あかね。

おれの、今のご主人さま。




……兼、好きな女、だったりする。




……うん。これ、内緒な。



おれさ。優しく拾い上げてもらったときから、もうずーっと、あかねに片想いしてるんだよ。



ほんと、タイプど真ん中。小柄で色白。


栗色のつるんとした、肩までの長さの髪。


キラキラしている、まあるい目。


ほおにはいつだって、愛嬌のあるえくぼが浮かんでて。



それに、あかねは外見だけじゃなくて、中身も……



……っと、ノロケはここまでだ。



ここから。

ここからが、本題なんだよ。


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