発車の汽笛。


謝るのは僕の方であって、彼女じゃない。
感謝するのは僕であって、彼女じゃない。

そう言いたくて、言葉を紡ごうとするのに、発車を呼び掛けるアナウンスの音が邪魔をして、僕は首をただ横に振ることしかできない。


発車を知らす汽笛が鳴り響いた。




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