発車の汽笛。


遠ざかる彼女の表情はどこか晴れていて。

そんな彼女を見えなくなるまで見つめていた僕は、崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。

胸が疼いて、苦しくて、どうしようもない。

必死に自分に言い聞かせる。
” 違う、違う、見間違いだ ” と

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