世界に幸せの旋律を。~君と私が綴る物語~
まぁ、しかしだ。




私の『小さな罪』とはここからなのだ。

心の中で私は大きな溜め息をつき、少しでも夢が変わる事を願いながら少女を見守っていた。

ふと、何かを思ったのか本を掲げた私。

「あーっ、そうだ!もしこの世界に白色の魔道士がいるなら、私メロはこの人好きだから一緒に幸せになるの!魔道士かっこいいもん、この可愛いメロがお嫁さんになってあげるーの!」

茶色の髪を揺らしながら嬉しそうにそう叫んだ後、同意の意味を込めて隣に座った祖母へ顔を向けた。

しかし私が見た物とはあの優しい祖母からは想像も出来なかった程、恐ろしく悲しみに満ちたものだった。


私は軽い冗談だったのに、その顔を初めてみた時は何が起こったのかよく分からず。

パニックになってしまって半泣き状態で『ばぁば...?ねぇ、ばぁば?』って何度も呟いてたなぁ。
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