世界に幸せの旋律を。~君と私が綴る物語~
少しの沈黙の間の後、ふと耳をすませると聞こえるのは椅子から立ち上がった際の小さなきしみ音。

と、同時に
「あら、またその本なのね…そうね、分かったわ。」



という喋り声が聴こえ、60代位の女性がゆっくりと私の元へ近寄ってきた。


フワフワの金髪が背中の半分を覆い、私と同じ淡いピンクの瞳。

だれもがウットリしてしまいそうな程綺麗な彼女を見ると、私にはこの夢が何度目で有ろうとも胸の痛みが収まらない。

出来ることなら、この夢自体を変えてしまいたいのだが…。

私の体は自然と運命通りに進んでゆき、私の意志では動かせない。

ある意味操り人形に近い存在だ。

まあ…きっとこれは私の『小さな罪』への罰なのかもしれない、と最近では身を流れに任すだけだ。
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