籠のなかの小鳥は
第四章/皐月の雷
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「ええぃ、クソっ! あの肉饅頭」
「蘇芳、いくら自邸とはいえ、左大臣殿をそのように・・・」
「やかましい、お前もいら立っているだろう。何かといえば北の国の飢饉を持ち出して、西国への出兵に頑に異を唱える。
あいつの腹の内は分かっている。出兵のために割く租税や員数が惜しいだけだ。
それでいて、国益の維持だなんだ並べて西国からも北国からも、取り立てる年料舂米は一粒も減らさんときている。
あいつは民がどれだけ疲弊しようが、芥ほども気にかけておらん」
「出すものは増やさず、入るものは減らさず、ということなのでしょうねえ」
珀斗がため息をつく。
蘇芳は腹立ちまぎれに、がつがつと椀の強飯(こわいい)をかきこむ。
「ええぃ、クソっ! あの肉饅頭」
「蘇芳、いくら自邸とはいえ、左大臣殿をそのように・・・」
「やかましい、お前もいら立っているだろう。何かといえば北の国の飢饉を持ち出して、西国への出兵に頑に異を唱える。
あいつの腹の内は分かっている。出兵のために割く租税や員数が惜しいだけだ。
それでいて、国益の維持だなんだ並べて西国からも北国からも、取り立てる年料舂米は一粒も減らさんときている。
あいつは民がどれだけ疲弊しようが、芥ほども気にかけておらん」
「出すものは増やさず、入るものは減らさず、ということなのでしょうねえ」
珀斗がため息をつく。
蘇芳は腹立ちまぎれに、がつがつと椀の強飯(こわいい)をかきこむ。