籠のなかの小鳥は
「内通者、か」口にしたのは青波だ。
「おそらく。それもかなり内部に近い者。
軍の配置と動きは、ごく限られた者しか知らされない。それが敵軍に漏れている。
我が軍は不利になる一方」
「蘇芳くんに毒を盛った件と、無関係ではない気がするな。勘だけど」
「日嗣の皇子を殺め、敵の侵略を許す。まるで、この国を滅ぼそうとしているような———」
昴が思考をまとめるように、言葉を発する。
させん、と蘇芳がうなるように言う。
病み上がりとはとうてい思えない熱が、彼の全身から放たれている。
ほとばしる意志の力が、場を圧する。
わたしとて同じ想いです、と珀斗。
「我らにかかっているのでしょう、この国の命運は」
努めて冷静な口調で告げる。
「ならば背負おう」と蘇芳。
いかにも、と珀斗が不敵な微笑みをうかべる。
「お前ひとりでは、荷が重いだろう」
「僕のことも忘れないでよ」
想いはひとつ。共にゆくのだ、この道を。
四人と四獣と、そして小さな鳥が一羽————
「おそらく。それもかなり内部に近い者。
軍の配置と動きは、ごく限られた者しか知らされない。それが敵軍に漏れている。
我が軍は不利になる一方」
「蘇芳くんに毒を盛った件と、無関係ではない気がするな。勘だけど」
「日嗣の皇子を殺め、敵の侵略を許す。まるで、この国を滅ぼそうとしているような———」
昴が思考をまとめるように、言葉を発する。
させん、と蘇芳がうなるように言う。
病み上がりとはとうてい思えない熱が、彼の全身から放たれている。
ほとばしる意志の力が、場を圧する。
わたしとて同じ想いです、と珀斗。
「我らにかかっているのでしょう、この国の命運は」
努めて冷静な口調で告げる。
「ならば背負おう」と蘇芳。
いかにも、と珀斗が不敵な微笑みをうかべる。
「お前ひとりでは、荷が重いだろう」
「僕のことも忘れないでよ」
想いはひとつ。共にゆくのだ、この道を。
四人と四獣と、そして小さな鳥が一羽————