籠のなかの小鳥は
「誰かあるか!」
「警備の者を!」
大声で呼ばわる者、腰を浮かせ逃げ出そうとする者。
大極楽殿は恐慌状態におちいった。
静まれ!
その声が、ぴしりと鞭のように空気を打つ。
扉から入ってきたのは、四人の皇子だ。
その姿の常との違いに、誰もが瞠目する。四人は皆、腰に剣を佩いているのだ。
「こ、これは・・」
立ち上がって声を上げたのは、左大臣だ。
「これは皇子様方の仕業にござりますか」
いかにも、と蘇芳。
「こやつらは先頃、朱雀と青龍にて捕らえた諸碍の先兵。敵情視察の任を負っていた者たちだ」
「内裏に血の穢れを持ちこまれるとは、由々しき事態」
左大臣が肉のたるんだあごを震わせる。
「このまま無策のまま座しておれば、内裏中が血に染まるであろう」
昴が重く告げる。
皇子たちの登場に、ひとまず危険がないことを察して、一同はまた座に戻る。
かたずを飲んで、場のやりとりを見つめている。
帝はといえば、高御座からずり落ちてほうけたままだ。
「警備の者を!」
大声で呼ばわる者、腰を浮かせ逃げ出そうとする者。
大極楽殿は恐慌状態におちいった。
静まれ!
その声が、ぴしりと鞭のように空気を打つ。
扉から入ってきたのは、四人の皇子だ。
その姿の常との違いに、誰もが瞠目する。四人は皆、腰に剣を佩いているのだ。
「こ、これは・・」
立ち上がって声を上げたのは、左大臣だ。
「これは皇子様方の仕業にござりますか」
いかにも、と蘇芳。
「こやつらは先頃、朱雀と青龍にて捕らえた諸碍の先兵。敵情視察の任を負っていた者たちだ」
「内裏に血の穢れを持ちこまれるとは、由々しき事態」
左大臣が肉のたるんだあごを震わせる。
「このまま無策のまま座しておれば、内裏中が血に染まるであろう」
昴が重く告げる。
皇子たちの登場に、ひとまず危険がないことを察して、一同はまた座に戻る。
かたずを飲んで、場のやりとりを見つめている。
帝はといえば、高御座からずり落ちてほうけたままだ。