籠のなかの小鳥は
ダンッ!!

鋭く決意をこめた音が響く。蘇芳が手にした剣を床に突き立てたのだ。

「参議に問う!」朗々と声を張る。
「このまま夷狄の侵略を許し、座して死を待つか———」


「———それとも膝を屈し従属関係を結ぶか」
昴が続く。

一座をゆっくり眺めわたす。

否! すべての想いを蘇芳がひと言にこめる。

「参議に号令す!」大極楽殿にその声が響きわたる。


「これより戦ぞ。国が誇りを賭けるとき。
勇なきものは去れ! 立ち尽くすものは無用!」


胸をわななかせ、気づけば誰もがその命を待つ。


「兵を挙げよ!」


御意!!

全員が手をつき、平伏する。御簾の奥に座す帝にではなく、四人の皇子にむかって。
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