籠のなかの小鳥は
「大内裏の外を見てみたいと、おっしゃられる———?」
珀斗の言葉にうなずいて、はいと返す。
珀斗と蘇芳の二人が常寧殿を訪れた、ある夕。思い切って切り出した。
「ここへ来ましてから、二月ほど。わたしは、ずっとここ後宮で過ごしています。
とても広く、なに不自由なく日を送っておりますが、外の世界を見たことがないのです。
都やその先は、どのようなところなのでしょう?」
「なんでそんなことを知りたがるんだ? 俺の邸なら、いつでも連れていってやるぞ」
蘇芳が胡乱な目を向ける。
いっこうに自分になびこうとせず、外を見たいなどと言われても、面白くないのだろう。
女が外に出たいなど——不満の色を隠そうともしない。
珀斗の言葉にうなずいて、はいと返す。
珀斗と蘇芳の二人が常寧殿を訪れた、ある夕。思い切って切り出した。
「ここへ来ましてから、二月ほど。わたしは、ずっとここ後宮で過ごしています。
とても広く、なに不自由なく日を送っておりますが、外の世界を見たことがないのです。
都やその先は、どのようなところなのでしょう?」
「なんでそんなことを知りたがるんだ? 俺の邸なら、いつでも連れていってやるぞ」
蘇芳が胡乱な目を向ける。
いっこうに自分になびこうとせず、外を見たいなどと言われても、面白くないのだろう。
女が外に出たいなど——不満の色を隠そうともしない。