籠のなかの小鳥は
色彩はそれぞれ、赤、青、黒、白の四彩。

へたりこみ、ベンチにしがみつきながら、彼らと後ろに従えた番(つがい)に目を奪われる。


———なんて大きくて・・・美しい・・


装束と同じく、赤、青、黒、白の光を放つ獣の姿。小鳥の内で、枢(くるる)が呼応するようにクゥと鳴いた。


「なんだよ、せっかく迎えに来てやったのに、ちっとも嬉しそうじゃねーな」


『蘇芳(すおう)』と呼ばれた赤い装束の少年が、かがみこんで口を開く。


言葉を失い、小鳥はからだを震わせる。

そんな小鳥と蘇芳のあいだに割って入るように、白い装束の青年が片膝をついた。

背にたれる漆黒の長い髪。こめかみに月光を思わせる銀髪がひとふさ混じっている。穏やかなまなざしに、わずかばかり緊張がとける。
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