ラブゲーム
政略結婚というのは、普通は親同士が進めるものだと思う。よくは知らないが。
だが、それにしては違和感がある。何か違う気がする。
あ、そうか。もしそうだとしたら、ふゆみの両親は俺の訪問を煙たがるはずだ。というか、俺の存在そのものを。
まして、娘の婚約者に俺を引き合わせるなんて、するはずがない。政略結婚が台なしになるからだ。現に、そうなってしまったと思う。俺には好都合だが。
しかし、今の問題はそこではないと思う。ふゆみは、金目当てだと認めてしまったが、本当なのだろうか。
もちろん本当だとは思えない。思いたくない、と言うべきか……
「おやおや。王子様は悩んでいらっしゃるようですね?」
「うるさい!」
「まあ、そうカッカしないで、座ってください。私が説明してあげますから」
そう言われ、癪だが俺は大人しく座る事にした。神徳の説明とやらを聞くために。
俺が座っていた位置に戻ろうとしたら、
「貴方はこっちでしょ?」
神徳は立ち上がり、そこに座るよう促された。
「王子様はお姫様の隣。悪役の私は、あっちに座りますから」
神徳に言われるままに、俺とふゆみは並んで腰掛けた。肩が触れ合うほど近いが、まあいいかな。
「ふゆみさん、そして桜井さん。先ほどは無礼な事を言って、すみませんでした」
なんと、神徳が頭を下げた。斜め45度で。
だが、それにしては違和感がある。何か違う気がする。
あ、そうか。もしそうだとしたら、ふゆみの両親は俺の訪問を煙たがるはずだ。というか、俺の存在そのものを。
まして、娘の婚約者に俺を引き合わせるなんて、するはずがない。政略結婚が台なしになるからだ。現に、そうなってしまったと思う。俺には好都合だが。
しかし、今の問題はそこではないと思う。ふゆみは、金目当てだと認めてしまったが、本当なのだろうか。
もちろん本当だとは思えない。思いたくない、と言うべきか……
「おやおや。王子様は悩んでいらっしゃるようですね?」
「うるさい!」
「まあ、そうカッカしないで、座ってください。私が説明してあげますから」
そう言われ、癪だが俺は大人しく座る事にした。神徳の説明とやらを聞くために。
俺が座っていた位置に戻ろうとしたら、
「貴方はこっちでしょ?」
神徳は立ち上がり、そこに座るよう促された。
「王子様はお姫様の隣。悪役の私は、あっちに座りますから」
神徳に言われるままに、俺とふゆみは並んで腰掛けた。肩が触れ合うほど近いが、まあいいかな。
「ふゆみさん、そして桜井さん。先ほどは無礼な事を言って、すみませんでした」
なんと、神徳が頭を下げた。斜め45度で。