好きでいてもいいですか?


「ねぇ、翔。お題、なんだったの?」


翔が紗奈ちゃんじゃなくて私のところへ来たってことは紗奈ちゃんには合わないけど私には合う条件?


ていうか、私に合う条件ってなんだろう……。


私、顔には何の特徴もないはずだし。


唯一言えるのは髪を縛っていることと、ハチマキを頭に巻いていることぐらい?


でも、そんなの誰だってしてる。


紗奈ちゃんだってしてるわけだし。


「お前にはぜってー教えねぇ」


翔はなぜか、少し照れていたような気がした。


気のせいだよね。


「教えてくれないの!?」


1番気になることを教えてくれないなんて翔は意地悪だね。


私はあの場所から連れ出されたんだから、知る権利ってものがあると思う。


でも、翔は一度決めたことは曲げないタイプだから、私がどんなにしつこく聞いても教えてくれないんだろうな。


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