好きでいてもいいですか?
「そう?じゃあ帰ろっか」
悠真くんは一瞬不思議そうな顔をしたけどすぐに歩き出した。
「うん」
私も急いで悠真くんのあとに続く。
「萌愛ちゃんって家どっち?」
学校を出て最初の別れ道で悠真くんに聞かれた。
「私はこっちだよ。悠真くんは?」
私は右側の道を指差した。
「や、俺はこっち」
そう言って悠真くんが指差したのは私とは反対の左側の道。
「そっか。じゃあもうここでバイバイだね。今日はありがとう。これからよろしくね」
私は帰る道が違うから当然別々に帰るんだと思ってた。
「でももう暗いし送ってくよ」
「私なら大丈夫だよ?それに悠真くんがこっちに来たら反対方向になっちゃうし……」
暗いって行っても夏の6時なんて明るいに等しい。