好きでいてもいいですか?



一年生の競技は午前は二人三脚だけだから、割と暇。


しかも二人三脚は午前の部の1番最後だから、開会式が終わってから出番までかなり時間がある。


私は控え席で那由とおしゃべりをしていた。


「てかさ、萌愛。相沢と話さなくてもいいの?」


二人の間に会話が途切れてきた頃、那由がここぞとばかりに話を振ってきた。


「翔のことはいいの……」


ほんとは、いいなんてちっとも思ってない。


翔と話したい、触れて欲しい。


だけど、無理なんだよ。


私たちは付き合ってるのか、そうじゃないのかもわからない。


しかも翔が私に対する気持ちは相当ひどいものだと思う。


< 89 / 192 >

この作品をシェア

pagetop