好きでいてもいいですか?
一年生の競技は午前は二人三脚だけだから、割と暇。
しかも二人三脚は午前の部の1番最後だから、開会式が終わってから出番までかなり時間がある。
私は控え席で那由とおしゃべりをしていた。
「てかさ、萌愛。相沢と話さなくてもいいの?」
二人の間に会話が途切れてきた頃、那由がここぞとばかりに話を振ってきた。
「翔のことはいいの……」
ほんとは、いいなんてちっとも思ってない。
翔と話したい、触れて欲しい。
だけど、無理なんだよ。
私たちは付き合ってるのか、そうじゃないのかもわからない。
しかも翔が私に対する気持ちは相当ひどいものだと思う。