普通なお嬢様の極秘恋愛
わたしとお母さんどころか、お手伝いさん達にまで窮屈な思いを強要するお父様……。
もう、どうして……。

「……凛、大丈夫……?」

ティーカップを手にしたまま動かなくなったわたしを、のぞき込むようにお母さんの声がかかる。
のぞき込むといっても、テーブルが大きすぎて遠すぎて、本当にのぞき込まれてるわけではないけど。

「う、うん……。お母さん」

考えれば考えるほど、嫌な気持ちになる。

どうしてお父様はこんな暴君になってしまったの?
他のお手伝いさんのことも、翔護のことも。
それに今日の放課後、担任の竹井先生から聞いた事も、わたしの将来も……。
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