普通なお嬢様の極秘恋愛
そう思ったのに、お父さんはすっかり舞い上がって、貴族のような暮らしを楽しむようになった。

豪邸、使用人、高そうなワイン。
食卓に並べられる、見たこともなければ名前も知らないフランス料理……。

普通のお家がいいよ、普通のお家でいいんだよ?
家族3人で今まで通り過ごそうよ。
お父さん、夕食後の発泡酒が楽しみだったじゃない、お母さんの手作り料理が食べたいよ……。

でも、わたしもお母さんも、お父さんをとめることが出来なかった。
世間はお父さんをヨイショしてやまない。
お父さんはそれでどんどん、つけあがる。

わたし達家族の声が、お父さんは聞こえなくなってしまったようだ。
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