普通なお嬢様の極秘恋愛

「それにしても、どうして安達君が代理？」

花歩ちゃんが、わたしの手をぎゅっと握りながら、彼の目を見据えて聞いた。

「さぁ。強いから？

夕方いきなり家に電話きてよ、ボディーガードしてくださいって。
なんのことだと思ったけどさ、守る対象が凛だって聞いたから、ソッコーでオッケーして来た」

「安達君、強いの？」

由美ちゃんの言葉に、安達君は得意げに鼻を鳴らした。

「俺の実家、柔道の道場だぞ？
俺、子供の頃からやってるし、黒帯。
ボディーガードには丁度いいって思ったんじゃねーの？」

「あ、そう言えばそうだったね。
忘れてた」

加奈子ちゃんがぽんっと手を打った。