普通なお嬢様の極秘恋愛
それで、咄嗟に風邪だと嘘を……。
心配して頂いたのに、申し訳ございません。

言って頭を下げる翔護に、わたしは首を左右に振った。

お泊まり会はしたい、けど、翔護のことは由美ちゃんと加奈子ちゃんにバレたくない。
そんなわたしのワガママを叶えてくれようとした、優しい嘘。
責められるはずがない。

それに、翔護が風邪引いてなくて、良かった。

「凛ちゃん、どうして知られたくなかったの?
いいじゃない、ボディーガードがいたって!」

「あ、それはね?
加奈子ちゃん、由美ちゃん……」

わたしの代わりに、花歩ちゃんが中学時代のわたしに起きた出来事を話してくれた。
< 173 / 428 >

この作品をシェア

pagetop