普通なお嬢様の極秘恋愛
「ちっ。うるせぇな、この二重人格野郎。

さっきは私っつって超丁寧だったじゃん。
で、学校では僕、とかつって敬語。
で、今は俺、か。
それがお前の本性か」

あ、三重人格か、と、安達君は翔護を睨み返して、せせら笑った。

「や、わたしがお願いしてそうしてもらってて……!」

「お嬢様、こんな奴にわざわざ説明してやる必要は御座いません」

きっと、何を言っても分かりはしませんよ、と、翔護もまだ安達君を睨み続けている。

「しょ、翔護……」

わたしは翔護にしがみつく力を、ギュッと強めた。
何故だかは自分でもわからないけれど。
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