普通なお嬢様の極秘恋愛
「安達君、これを」

「ん?」

わたしの前に車を降りようとした安達君に、中堂さんが声をかけた。
立ち止まる安達君に、封筒が渡される。

「人数分の一日フリーパスと、飲食用のチケットです。
キミが持っておくように。

皆さんの護衛、頼みましたよ」

安達君は封を開けて、中身を確認した。

「中堂さん、フリーパス一枚多いぞ?
間違えた? 
それとも中堂さんも遊びたい?」

いたずらっこのように笑いながら、フリーパスをひらひらと振って見せる安達君。

中堂さんはあっと声を漏らした。

「手違いでしょう。
では一枚、こちらで引き取ります」

「はいよ。ベテランでもミスすんだな」

安達君は笑いながら素直に一枚、中堂さんにパスを返した。
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