普通なお嬢様の極秘恋愛
「んっ……っ?!」

お手洗いを出たところで、口を塞がれて建物の蔭へと連れ込まれた。

わ、なに?! 怖い……!

ぎゅっと目を瞑って動けないでいると、耳元で聞きなれた声がした。

「凛……。俺だよ」

わたしは驚いて、瞼を上げる。

「翔護……! どうして……?!」

そこには優しく微笑む翔護がいた。

「凛とデートしたくて、来ちゃった。
ね、凛。一緒に遊ぼう?」

「翔護! 会いたかったよぉ!」

思わず翔護の首に両腕を巻き付けて抱き着いた。
抱きしめ返されて、よしよし、と背中を撫でられる。

「あ、でもみんなと来てるし……」

「凛、ちょっと携帯貸して?」

「うん……?」
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