普通なお嬢様の極秘恋愛
携帯を差し出すと、翔護は迷うことなく発信ボタンを押した。

「佐藤さん、後はよろしくお願いします。
みんなには上手く言っておいて下さいね?」

電話の向こうから、オッケーわかったぁ、と笑う花歩ちゃんの声が聞こえた。

「翔護? どういうこと?」

「昨夜のうちに、佐藤さんに協力頼んどいた。
凛とデートするためにね。

凛は今、気分がすぐれなくて医務室で寝てることになってるはず」

「どういう、こと?」

翔護は昨夜わたしの部屋に来たときに、誰にも気づかれないように、花歩ちゃんに「後で話しがある」と合図を送っていたらしい。

全く気づかなかったなぁ。
あ、それで花歩ちゃん、ちょっと電話してくるって部屋を出たんだ?
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