普通なお嬢様の極秘恋愛
翔護はジーンズにシャツを着ていて、新鮮だ。
細身の体にそれらをラフに着こなした姿は様になっている。
綺麗な顔と相まって、周囲の女性の熱い視線が翔護に注がれているのが分かる。

お屋敷のスーツ姿か学校の制服姿しか見たことがなかった。
私服、持ってたんだなぁなんて思う。
って、私服くらい持ってるよね。

「凛? ほら、これとかどう?」

翔護がわたしにハンガーにかかった服をあてがう。

「うん似合う。鏡、見てごらん?」

肩を優しく抱かれて、鏡に映るわたし。

空色の膝丈ワンピース姿の前に、ハンガーにかかった黒い、フリフリの魔女のワンピースルック。
遊園地のイメージキャラクター達の一人である魔女っ子の衣装だ。

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