普通なお嬢様の極秘恋愛
土曜日の午後の遊園地は人で溢れている。

キャラクターの衣装を着ていたり頭に面白い帽子をかぶっていたりする人は結構多くて、わたしの魔女の衣装も浮くことはなく、むしろ馴染んでいるようにさえ思えた。

これなら、翔護の言うように見つからないかもしれない。

「凛、今日は普通の恋人同士として、存分にデートしようね」

いつの間にかサングラスをかけていた翔護が、わたしに笑いかける。
翔護のそんなちょっとした変装にも、ドキドキしてしまう。

普段見ることのない普段着にサングラスの翔護。
普段着ることのない魔女ルックのわたし。
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