普通なお嬢様の極秘恋愛
「凛……? 寂しいの?」

ぴったりくっつくわたしの頭を、翔護が撫でてくれる。

「ん。寂しい……。
観覧車降りたら、デート、おしまいなんだもん……」

翔護の胸に顔を埋める。
また小さく、観覧車が傾いた。

「凛、覚えておいて?
いつもはこんなデート、確かに出来ないけど……」

俺は毎日、凛を想ってる。
触れなくても、使用人でも、ただの同級生でも……。

凛を、想ってるから……。
あんまり寂しがらないで?

翔護はわたしを抱きしめて、キスを落とした。
いつもより長くて、いつも以上に気持ちの沢山こもったキスだった。
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