普通なお嬢様の極秘恋愛
「佐藤が帰ったら凛と二人きりに……」

「ならないよ!」
「ならないからね?」

にやにやとした安達君の一言に、わたしと花歩ちゃんが同時に返事をする。
中堂さんが前で小さく笑っているのが見えた。

「折角森下がいないのによー。
凛になかなか近づけねーし。
二人っきりになれねーし。

さっきだってよー、医務室で寝てるってゆーからソッコーで行こうと思ったのに。
佐藤が止めるんだもんなー。

凛ちゃんは医務室の先生の任せてるから、わたしたちのガードしてよ、とかってよー」

「だって、安達君が行くと凛ちゃん休めないでしょ」

花歩ちゃんは、睨む安達君をからからと笑いながらかわしている。


< 209 / 428 >

この作品をシェア

pagetop