普通なお嬢様の極秘恋愛
部屋の鍵を閉めて、息を吐く。
昨夜大勢で囲んだテーブルを、今日は向かい合って2人で囲む。

「花歩ちゃん、今日はいっぱい助けてくれてありがとう。

さっきも助かったし、お陰で楽しい思い出もできたよ」

「良かった、凛ちゃん。
それにしてもさっきはどうしたの?
辛そうだったよ?」

「うん……」

わたしは花歩ちゃんに、さっきの気持ちを打ち明けた。
さっきの、と言うか、常々思ってはいたことだけれど。

「そうだよね、秘密なんだもん。
嘘が重なっていくよね。
心苦しいのは分かるけど……。

でもさ、凛ちゃん」

腕を組んで、うーん、と考える素振りを見せる花歩ちゃん。

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