普通なお嬢様の極秘恋愛
「付き合ってもないくせに、毎日森下君独り占めすぎじゃん?

近所かなんか知らないけどさ~。
森下君狙ってる人多いのにね~」

「言えてる。さすがお嬢様って感じ?
彼を自分の所有物だとでも思ってるんじゃないの?」

「そーいえば、安達君もくっついてるよね、よく」

「うっわ、男二人はべらかして!
大人しい顔してやるよね~!」

「そもそもさ、お嬢様学校行けよって感じじゃない?」

「アハハー! だよねっ!
ワタクシ庶民の生活をお勉強に来たんですの~! って感じ?」

「森下君と安達君にお金でも払ってたりしてね。
はべりなさい! とかってさっ」

彼女たちは、傘で顔の隠れた、しかも後ろのわたし達に気づかず、そんな会話を延々としていた。
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