普通なお嬢様の極秘恋愛
「凛、やめなさい。
使用人に、さん、なんて付けるものじゃない。
ああ、あと、彼は凛と同じ高校、クラスに通わせる。
常に守れるようにな。

それから、恋なんて戯けたものに、くれぐれも落ちるな。

お前はお嬢様だ。
森下は使用人だ。
身分をわきまえろ。

凛にはいずれ、私が最高の相手を用意する」

なんて勝手な……。

わたしには、恋の自由も未来の自由もないらしい。
目の前のボディーガードらしい彼にも、自由なんてないのだろう。

お父様にとっては、わたしも、彼も、物同然なのだろうか。
お父様にはすっかり、人としての優しい心がなくなってしまったように思える。
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