普通なお嬢様の極秘恋愛
「翔、護……?」

思わず名前を呼んでしまって、慌てて口を押えた。

「結構な雨だし、傘さしてるから。
あんな大声じゃなくてさ、小さく話せば声は漏れないよ、きっと。

凛、あんなの気にしないで?
俺は凛が本気で好きだよ?」

わたしはその言葉に、泣きそうになった。

嬉しすぎる、やっぱり翔護が大好き。
少しでも疑ってしまった自分が恥ずかしくなった。

「う、うん、ありがとう……。

翔護ってさ、時々、すっごく大胆だね?
いつも慎重なのに。
花歩ちゃんと連絡とったり、今日みたいなことしてみたり。

あ、あと遊園地……!」

泣き出しそうになるのを堪えながら、そしてドキドキ高鳴る胸を押さえながら、わたしも小声で話す。
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