普通なお嬢様の極秘恋愛
「そうかな?」

翔護はくすくすと笑って、それから一瞬、切なそうな顔をした。

「翔護……?」

「凛……。不安がらないでね?
俺は、ちゃんといつでも想ってるよ」

翔護はそう言ってにこりと笑顔を浮かべた後、いつもの学校用の態度に戻った。
前を歩く女子のグループは、相変わらずわたしの悪口を言って盛り上がっている。

「空、明日は晴れると良いですね、上間さん」

「あ、うんそうだね。森下君」

わたし達はお互いに学校用の態度で、校舎に入った。
雨だけど、悪口言われてたけど、それでもわたしのジメジメな気持ちは少し、和らいだ。
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