普通なお嬢様の極秘恋愛
「俺と凛はこれからなんだよ!
てめぇには負けねー!」

「勝ちも負けもないですよね。
何を言ってるんですか? ね、上間さん」

ダンッ! と翔護の机に両手を打ち付ける安達君を物ともせずに、翔護はにっこりとわたしに笑顔を向けた。

「森下って結構肝座ってるよな」

「ああ、あの安達に動じないもんな……」

教室のどこからか、そんな会話が聞こえてきた。

安達君は体格もがっちりしているし背も高いし、しかも強いって有名らしくて、一目置かれた存在らしい。

それに比べると翔護は線は細いし顔も中性的で、虫も殺せないんじゃないかって言うのが一般的なイメージみたい。

そもそも鍛えてる、ボディーガードとして働いている、実は安達君より強い、なんてみんな知らないし、信じないだろう。

それで、翔護が安達君にこういう態度をとるたびに、クラスメイトは驚く。
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