普通なお嬢様の極秘恋愛
「お父様……。
只今、帰りました。
放課後少し、お友達とお話をしておりましたもので」

「あんな低俗な学校で友達なんか作らなくて良い。
……まあ良い。リビングに来なさい」

「……はい……」

わたしはお父様の理不尽な言葉と厳しい口調にげんなりしながらも、それらを悟られないように静かに返事をして、リビングに向かうお父様の背中を追った。

翔護が、わたしのカバンをそっと引き受け、後ろをついてくる。

いつもの席についた途端、丁寧にカバーをかけられた立派な写真を差し出された。

カバーを開くと、品の良さが伺える、スーツ姿の青年が柔らかく微笑んでいた。

おそらくわたしより年上の社会人だろう、それに、翔護より背が高そう。
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