普通なお嬢様の極秘恋愛
それから何時間泣いたのか、分からない。
いつの間にかベットに頭を預けて寝ていたようだ。

ふと目が覚めて周囲を見渡すと、あたりは真っ暗だった。
腫れぼったい目をこすりながら時計を見ると、すでに夜中だった。

「結構寝ちゃった……。
あ~あ、折角学校帰りまでは楽しい気持ちだったのに。
泣きながら寝て、夏休み初日を迎えるなんて……」

一人ごちりながら喉を抑える。

泣き叫びすぎたのか、目だけでなく喉も痛い。

水、飲みたいな……。
喉がガラガラだ。
そっと扉を開けて、部屋を出る。

「り、ん……?」

「あ……」

翔護が扉の横で壁を背に座り込んでいた。
いつものお屋敷用のスーツを着込み、わたしのバックを抱きしめて。
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