普通なお嬢様の極秘恋愛
最初は、少し懲らしめたいって気持ちだけで翔護の家出の提案に乗ることにした。

だけれど、これは良い機会かも知れないと思った。

窮屈に縛られる人生なんてごめんだ。
お父様もお母さんもわかってくれないならば、そのまま出てしまおう。

わたしは本気で気持ちを固めた。

さすがに翔護と付き合っている、とは書けなかったけど、それ以外の、今までに感じていた窮屈な想いを全てぶちまけて、便箋は二枚いっぱいになった。

「翔護は、どうする……?
わたし、お父様とお母さんがこの手紙でもわかって貰えないようなら、夏休みどころか本格的に家出して、自分で生きてく覚悟だけど……。

夏休みだけ、とか少しだけ、とか思ってわたしについて来てくれるのなら、帰ることも考えて動かないと」
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