普通なお嬢様の極秘恋愛
しっかりと翔護を見つめるわたしに、翔護はふっと笑って頭を撫でてくれた。

翔護の返事をじっと待つ。

「俺は、凛と一緒だ。
凛が帰らないなら、俺も帰らない。

大丈夫、仕事を探してどうにかするから。
一緒に生きていこう、凛」

不安な気持ちが表情に出ていたのか、彼はわたしの頭を再度撫でて、落ち着かせるようにとんとん、と背中を優しく撫でた。

大丈夫、大丈夫……。
翔護の言葉を聞きながら、目を閉じて考える。

当分は、多すぎるわたし名義の貯金でやり過ごせるし、どうにか仕事を紹介してもらえそうな当てはある。

翔護と2人、働きながら静かに生きて行こう。

そう、成金の娘じゃなくて、普通の女子として。
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