普通なお嬢様の極秘恋愛
「で、凛。さっき当てがあるって言ってたけど、どこに行く予定?
俺が行っても平気なとこ?」

「ん、多分、大丈夫な場所……」

返事をすると、翔護はにこりと笑って、良かった、と頷いた。

いつも、優しい。
今日は涙が出そうになるくらいに、いつも以上に優しく感じる。

「そっか、俺がいても大丈夫なら、良かった。
俺、もらったお給金ほとんど使わずに貯金してるから、暫く大丈夫だからね?
暫くなら俺と凛、2人で食べていくくらい出来る。

仕事、行き先で探すし、大丈夫だから!」

任せて、と笑う翔護に微笑み返して、わたしも二人のこれからの生活、前向きに頑張るね、と伝えた。

翔護が、さっきわたしが考えていたことと同じことを考えてくれていたことが、嬉しい。

わたしの返事に一瞬驚いた顔をしながらも、「新婚さんみたいだね、一緒にこれからの生活頑張ろうってさ」と、頬を染める翔護にきゅんとした。

お互いに紅い顔を見合わせていると、翔護が恥ずかしくなったのか先に視線を外した。
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