普通なお嬢様の極秘恋愛
「森下さん」

「お嬢様、旦那様に言われたでしょう?
どうぞ、呼び捨てになさってください。
でないと、お嬢様が叱られてしまいます」

「森下君?」

「君、も、いりません」

「ん、じゃあ翔護!」

「お嬢様?」

「どうせ呼び捨てにしなくちゃいけないなら、名前がいいな。
本当は、わたしも呼び捨てで凛って、呼ばれたいの。
お嬢様、なんて、本当は、嫌なの……」

「お嬢、様……?」

わたしは言いながら、泣きたい気分になってしまった。
どうしてこうなってしまったのか……。
なんだか悲しい。
聞いて欲しい。

「あのね、翔護……。
聞いて……」

わたしは、これまでのことを全て話した。
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