普通なお嬢様の極秘恋愛
わたしはふと、考える。
そうか、そうだった。

お父さんがお父様になるまではのびのびと明るく遊んでた。

男の子に混ざって木登りしたり、魚釣りしたり、鬼ごっこしたり。

スポーツも好きだったし、よく走りまわってた。
時々ここに来ては、ゆりちゃんとも散々遊んだ。

「凛、わたしが作ってあげた服が汚れる。
走り回るんじゃない」

「凛、わたしの娘ともあろうお前が怪我して泥まみれなんて。
許されない。大人しくしていなさい」

「お前はお嬢様なんだ、それらしい行動をとれ」

……。お父様は、わたしの生活どころか性格まで変えたんだ……。

ゆりちゃんの一言で、わたしは忘れていた、いや、封をしていた過去を思い出した。

そうだ、そうだった……。
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