普通なお嬢様の極秘恋愛
それから、翔護は、二人っきりの時を見つけては、わたしを
「凛」
と、呼んでくれるようになった。

わたしは、そんな翔護に、恋をした。

そしてそれから数日後。
わたしは翔護を今朝のように朝、呼びつけた。

「翔護、髪型が決まらないの。
部屋に入ってきて、手伝って」

と、言って。
本当は髪のセットなんて終わってる。
翔護を呼ぶための、口実だった。

「かしこまりました、お嬢様」

部屋に入ってきた翔護に、抱きつく。

「翔護、好き……。
抱きしめて、凛って呼んで……?」

「凛……」

翔護は驚いた顔をしたけれど、

「俺も、好き。
凛……」

と、抱きしめてくれた。
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