普通なお嬢様の極秘恋愛
「大好き、大好き……!
翔護、わたし……」

「しっ!
凛、静かに!」

咄嗟に、翔護は手で、わたしの口を塞いた。
人が近づいてくる気配を、わたしより先に翔護が感じ取った。

抱き合ったまま動けずに、2人で扉を背に立っていると、ノックの音が聞こえた。

「森下君、いるの?
お嬢様の支度は終わった?
奥様がお待ちよ」

「ああはい、ちょっと髪型を直しているところです。
それが終わったらすぐに行きます」

「そう、早めにね」

「はい」

お手伝いさんは翔護の返事を聞いて、去っていった。

わたし達はほっと胸をなでおろした。
あっさり行ってくれて良かった。
こんなとこ見られたら、問題になるところだった。
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