普通なお嬢様の極秘恋愛
波乱
「……ん?」

「……凛も、気づいた?」

夜中か、朝方か……。

とにかく、普段は起きない時間に、こつこつ、と音が聞こえた。

こつこつ、こつこつ。

なんだろう、と上半身を起こして音のする方向を見やる。

「凛ちゃん、翔ちゃん」

と、小さな声でわたし達を呼ぶおばぁちゃんの声が聞こえた。

さっきの音は、おばぁちゃんが襖を小さくノックしたものだと気がついた。
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