普通なお嬢様の極秘恋愛
「やっぱり驚くわよね? ごめんなさい。

わたしの主人、いくつかホテルや旅館、運営してるのよね。
で、わたしも時々手伝ってるの。

人手が足りない店舗のお手伝いに入るのよ。

でね、上間さんのおばあ様の旅館って、実はうちのグループ会社なのよね。

だからあっちが忙しい時はお手伝いに出向いてるのよね.、ほら、おばあ様も若女将も、人手が足りないっておっしゃってたでしょ?」

瀬田さんはいつも通りニコニコとそう言った.

えっ? それって……。

社長婦人自ら、人手が足りない旅館やホテルに従業員として、ヘルプに入って働いてるってことで良いのかな……?

目の前の女性はさらっと言ってのけるけど、それって凄いことなんじゃ……?

隣の翔護も驚いている。

きっと普通の従業員は、まさか瀬田さんが自分の働く会社の社長婦人だとは露ほどにも思ってないだろう。

「それはそうと2人とも……って、あ」

瀬田さんは何か言いかけたけど、急に言葉を切って一点に目を向けた。
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