普通なお嬢様の極秘恋愛
「あら、二人ともおはよう!!
ここの旅館は久しぶりだったわよね!
よく眠れた?」

声を上げた瀬田さんの目線の先をたどれば、浴衣姿の若い男性二人組。
わたし達と年齢はそう変わらないかも知れない。

というか、あれ?
どっかでみたことあるような……?

「んぁ? おはよって、母さんいたの?
今日はあっちの旅館だって言ってなかったっけ?

てか、誰かに急にこんな早朝の仕事頼まれた、と思ったら母さんだったのかよ!

いきなりバイトしろってここよばれたと思ったらこれだから……全く母さんは」

「母さんお早う。で?
これから俺らに何をさせようって、こんなに早朝なわけ?」

二人はそれぞれに瀬田さんに挨拶をしつつ。文句を垂らしている。

「いやね、あんたたち若いんだから力仕事を頼もうか、と。
今日は忙しくなりそうだから、下準備を早めにね。

あ、こちらはね、上間さんと森下君よ!」

瀬田さんは目の前の2人に、わたしと翔護を紹介した。
ぺこりと頭を下げて顔を上げたところで、翔護が呟いた。
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