普通なお嬢様の極秘恋愛
「失礼します!!」

弟さんの横に、二人の人物がやって来て、並んで頭を下げた。

弟さんが播いたらしいにもかかわらず、この使われていない部屋を見つけ出すなんて。

一所懸命探してくれたのか、お父様からのリークか、それとも翔護?

……いっそこの際、どういった経緯でも良くなった。
わたしは二人に久しぶりにあえて嬉しくなった。

「田中さん、中堂さん、お久しぶりです。
ご心配を、おかけしました……」

わたしは二人に頭を下げた。

「お嬢様! 本当にもうっ!!
心配したんですよ!!」

「わ、田中さん……?」

田中さんが勢いよく抱きついてきた。

「お嬢様を迎えに行く、と旦那様がおっしゃって……!
心配で心配で、ついてきました!」
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