普通なお嬢様の極秘恋愛
……田中さんにはわたしと同じくらいの年齢の娘さんがいる。
それで、わたしのことも娘みたいに扱ってくれる、第二のお母さんみたいな存在。
きっと自分の娘さんとわたしを重ねてしまっているんだなぁ……。
こんなに心配されるなんて、悪いことをした……。
「田中さん、心配かけてしまって、ごめんなさい……」
「いえ、いえ!!
驚きましたが、お嬢様がご無事で、何よりでございます!!」
抱きついていた田中さんは顔を上げて、わたしから体を離した。
その瞳は潤んでいて、本気で心配してくれたことが分かる。
視線をずらすと、部屋の入口に立ち尽くす中堂さんがいた。
「中堂さんにもご心配をおかけしまして……。
迎えに来てくださったのに、すぐに出て行かないで、お待たせしてしまい、ごめんなさい」