普通なお嬢様の極秘恋愛
「翔護……!
翔護ぁ……!!」

散々流して、もう出ないと思っていた涙が溢れ出てくる。

枕に顔を埋めて、わたしは暫く泣き続けた。


「……ん、りん、凛……!」

「翔、護……?」

あ、部屋に鍵かけるの忘れてた……。

薄暗い部屋の中。
目の前に影があった。

翔護だ!!
翔護が戻って来てくれたんだ!!

「翔護!
よかった、戻ってきてくれたのね!!

もうどこにもいかないで!
大好き……」

わたしはガバっと跳ね起きて、ベットの脇に立っている翔護に抱きついた。

翔護は何も言わずにわたしを抱きしめ返してくれた。

あったかい……。
あったかいけど……。
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